『 放課後の授業 』
『卒業しちゃいなよ、沢田ちゃん。
そんな髭面の・・駄目医者なんて』
保健室の秘密の授業を始めたのはあの胡散臭い
医者からだった。マフィアのボスたるもの人体に
対する基本的知識は必要なんだ、と珍しい言葉を
あの髭面は吐いた。顔なじみのヒットマンに頼まれた
からというが本当かどうか定かではない。
「・・そうそう、もっと抉るように舐めてやれよ」
男は裏筋とタマに弱いからな、と卑猥な台詞で
レクチャーしながら保健医は沢田ちゃんを犯し続けて
いる。この部屋に入ってからずっと。
小さなお尻からあの医者の出した汚いものが零れる様を
眺めながら俺は、何かを吐き出しそうになって唇をかみ締めた。
誘うように左右に揺れる、沢田ちゃんの腰つきに生唾を飲み込みながら。
沢田ちゃんはさっきからずっと俺の一物を丹念に丁寧に・・
あの医者が言うとおりに舐めている。舌で先端を抉り、竿を
なぞる様に舐め上げ、根元に吸い付いて、玉の裏までほうばって
彼のすこし痩せた頬は、俺の出した精液でどろどろになっていた。
――フェラ、すんごい上手いよ・・沢田ちゃん・・
初めてとはとても思えない、だから俺は達しそうになった瞬間
これもあの医者の授業の一環なんじゃないかと思った。
俺を使った実践指導をさせているのなら、もう沢田ちゃんは
終了証書をもらっているのではないだろうか・・少なくとも
あの医者にとっては。
「まぁこんなところか・・今度は、腰振ってみな」
散々中に出してから保健医は歌うように言って
用の済んだ穴から一物を抜き出した。その使い込まれた
ブツに比べたら俺なんて、下ろしたばかりの教科書だ。
どろどろに溶けたお尻の穴に、誘われるように自分のそれを
押し込んだらぬるぬるした内壁がきゅって締まって・・いきなり
俺は腰を全部押し付けそうになった。こんなにきついなんて悪魔の
ように魅惑的な体だ・・彼をこんな風にしたのも、今眼の前で
沢田ちゃんの口に突っ込んでいる例の男の所業なのだろうか。
――そう思うと何かいたたまれなくなって・・俺は両目を閉じて
少しばかり強引に沢田ちゃんを犯した。あ、あ・・と彼がしどけなく
上げる声も耳に残らない。ちゃんと咥えとけよ、と笑ってたしなめる
嬉しそうな男の声も。打ち付けてかき回して揺り動かして、自分の積んだ
経験を全部使ったってきっとあの男ほどには、沢田ちゃんに残せない。
俺が吐き出せるのは欲望と、精液だけ――中に出したらすべて蒸発
してしまうような、皮膚にはけして残らない、愛。
――どうして俺じゃ駄目だったのかな。
保健医の一物を喉の奥まで飲み込んだ沢田ちゃんの上気した頬を
見ながら俺はひとつだけ後悔した。
こんな形で男を知ることになるよりもっと早く、俺が彼に全部
教えてあげればよかった。