[ 立ち入り禁止 ]




「やっ・・、ディーノさん・・こんなところ、で」
可愛らしい声が耳をくすぐる。いやらしい手つきで腰をさすると
脱ぎかけた靴が片方、床に落ちた。
「俺だってもう――我慢できない、し」
 それは本当、でも何処でもいいというのは嘘。こんなところで、こんな
ところじゃないと感じない。お前が正真正銘、俺のものだって。


「だめ・・です、リボーンが帰ってきたら」
 ボスが机で組み敷かれていたなんて言い訳も出来ないって?
大丈夫、と囁いた――熱い息を、込めて。
「リボーンは忙しいから・・さ」
 教え子が個人レッスンを受けていたって、たとえそこがボスの
机の上だって――気にはしないだろう、後さえ残さなければ。
「・・ツナ、もう出そう?」
 少し焦らして先端を握り締めてやると
「・・あっ・・ディーノさん・・っ!」
 切羽詰った声が、背すじを反りあがらせた。ズボンにしまったままの
俺の息子が痛い。
「出しちまえって・・全部、飲んでやるから」
 いやいやとツナは首を振る。そそうをするわけじゃないからと言っても
恥ずかしがる、何度股の間に舌を入れても。
 机の上だと、ちょうどよく体が合わさるなんて言うのは内緒だ。
バレたら一生ボンゴレから締め出されてしまう。


「・・あっ・・んぁ・・駄目です・・ディーノさん・・」
「――何が、駄目だって?」
 わざと聞いてみる。お願いされたい。この、涙目で。
「・・ディーノさんの・・ばかぁ・・」
 お前に会う前も会った後もばかだよ、と思ったことは言わないでおく。
「――言わねーと、やらねーぜ?」
 入り口を息子でこんこんとこついてやると、ツナのそこがきゅっと
しまった。紅く色づいて濡れ、震えて――両股を開いたツナは今にも
弾けそうな表情だった。熟れすぎた、果実みたいな。


「・・ディーノさんの、おっきいの・・ください。お願い・・!」
 目を瞑っているのは、恥ずかしいからか、俺の息子が怖い
からなのかは分からない。
――了解。
 俺はツナの望み通りのことをする。ツナがボスとして君臨する、至上の場所で。
頂上から地の底へ落とし込むようなセックスを、仕込む。こういうのが癖になるのは
上を見続けるとあらゆる感覚が麻痺するから。抱き合って組み合わさってジェット
コースターみたいに駆け抜ける。体の底から頭の天辺まで。


 ベッドでただ愛し合うだけじゃもう、満足できなくなるんだよ。


 こういうの・・お前なら分かるだろ?


――答えを聞くのは彼が泣き止んでからにしようと、腰を動かしながら
ディーノは思った。喘ぐ息と重なり合う粘着音が軋む執務室はボスの
お許しが出るまで立ち入り禁止、だった。