You melt me by lips.
ディーノさんは優しくてかっこよくて綺麗だけど。
時々とっても、いじわるなんだ。
「ん・・っ、ちょっと・・ディーノさん!」
「何?ツナ・・」
「駄目ですって、ば・・」
「何で」
説明するまでもない、と思う。眼が覚めたときには服を全部脱がされていたのだ。
俺を見下ろしていたディーノさんと眼があったとき、俺は速やかに観念した。
彼に求められて首を振るほど理性を保てない。だって、ディーノさんは。
「だって、ツナ、可愛いから」
「やぁっ・・ん・・あ、・・も・・やだぁ・・」
逃げられない状況で俺を。
いつだってその指の淵に追い詰めていくから。
だってディーノさんに触れられただけで
起き上がってしまう。身体の一部は何かを期待して
彼の指先を待っている。
「・・ん・・んぁ・・っ・・やだ・・」
「舐めてあげようか?」
ディーノさんはとんでもないことを言いながら
俺の息子の先端を、訪ねるようにノックした。
「ふ・・んくぅ・・あ・・ん」
「・・ツナがして欲しいってお願いしてくれたら」
俺何でもするんだけどなぁ、彼はそういいながら俺の性器を指でくるくると回した。
何かが溢れててらてらと光っている。
「・・し・・て・・ディーノ・・さん」
羞恥心や理性を俺はどこに置き忘れてしまったのだろう。
彼に出会ってから確実に、大切なものを失った。
そして、自己を覆すほどの悦楽を知った。
「舐めて・・・ください・・ディーノさん・・お願い!」
彼は嬉しそうにぺろり、と舌を出すと微笑み
「じゃあ、綺麗にしてやらなきゃな」
散々指で弄んだ秘部に、柔らかい肉の塊を押し当てた。
「――舐めてもいい?」
「・・そんな・・だめって言ったって・・舐めるでしょう?」
「うん。だって可愛いし」
「可愛くなんてないです」
自分の勃起した性器を可愛い、と褒められてそうそう
嬉しがる男はいないと思うんだけど。
彼の指がつん、と俺の、そこを叩く感触。
ノックしないで、ディーノさん。
貴方より先に、おもらしをしてしまう。
「・・ん・・ふぁ・・やっ・・ああっ!」
「指だめじゃイけない?」
「そんな・・ことっ」
「――だってツナ、苦しそうだから」
「・・っ!」
そんな風にしたのは、ディーノさんなのに!
俺は抗議の変わりに腰を振った。
情けなかった、けれど。
感じてしまっているんだ。
――それからどうなったかって?
ご想像の通りだよ。五分とかからなかった。
正確には十秒もかからなかったかもしれない。
彼の舌にかかれば天国に行くことなんてさほど、難しいことじゃないから。
(ただし達してしまった後の罪悪感で何度地獄巡りをしたか計り知れないけど)
俺が果てるのを眺めて彼は、大変なことに気づいたらしい。
「・・あ、ごめんツナ・・俺、入れてなかった」
「えっ・・ええっ!や、何言ってるんですか、ディーノさん!」
「な〜ツナ、もう一回だめ?」
「駄目です。明日学校に行けなくなります」
「ツナ〜」
「そんな泣きそうな顔しても駄目!ディーノさんのばか!」
何かがぐさっ、と彼の心臓に刺さった音がしたけど気にしない。
一線を越えると強気になれるのは、もうこれ以上思う通り
にはさせない、となけなしの良識が働くから。
――ディーノさんはいいかもしれないけど、俺は次の日
大変なんだから・・!
ディーノさんはおろおろしたり、じたばたしたりしながら結局俺をぎゅっと抱きしめて
―それで満足することにした。
俺も眼を閉じて、「おやすみなさい」と言った。
朝一番のシャワーで残った火照りを洗い流してしまおうと誓いながら。
ディーノさんは優しくてかっこいいし
俺の憧れるボスだけど。
でも時々抜けていておっちょこちょいなんだ。
だから明日も明後日も
大人にしか言えないわがままで俺を困らせて?
嫌じゃないなんて言ったら喜んでしまうから。
最初だけ首を振らせて。
ね、ディーノさん?